昆布にはヨウ素が含まれているので注意！妊娠中の摂取量は？

■妊娠中は昆布の摂りすぎヨウ素に注意！

昆布には私達が普段不足しがちなミネラルが豊富に含まれています。

水溶性食物繊維のアルギン酸やフコイダン、マグネシウムにカリウム、
カルシウム、鉄分、銅、亜鉛まで含まれており、ミネラル不足に悩まされている私達現代人には必要な栄養素ばかり。

妊娠中も是非摂りたい食材の一つですが、摂りすぎには注意が必要です。

というのは、昆布にはヨードが含まれているから。
では、ヨードとは一体何なのでしょうか？

■昆布に含まれるヨード（ヨウ素）って何？

ヨードとはヨウ素ともいわれ、甲状腺ホルモンの主成分となるもので大切な栄養素の一つです。

昆布などの海藻類に多く含まれており、摂取すると血液中から甲状腺に集まり蓄積されます。

ヨウ素と聞くと、2011年の福島第一原子力発電所事故で放出された「放射性ヨウ素」を思い浮かべる方もいるかもしれません。「ヨウ素」と「放射性ヨウ素」は少し異なり、ヨウ素は放射線を出しません。2011年の事故の時、ニュースでよく取り上げられていたので、聞いたことがある方もいると思います。

こう書くと「そんな危なそうなヨウ素は全く摂らないほうがいいのでは？」
と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。

しかし、ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料なので、多すぎても不足しても甲状腺機能低下症（クレチン症）を
引き起こしてしまいますので、適度に摂ることが必要な栄養素なんです。

先天性甲状腺機能低下症（クレチン症）というのは、生まれつき甲状腺のはたらきが弱い病気で、重症から軽症まで
症状の出方はさまざまです。

新生児期の早期には黄疸の持続、便秘、臍（さい）ヘルニア、巨舌（きょぜつ）、かすれた鳴き声、手足の冷感などがあり、長期的には知能低下や発育障害が問題となります。

海外ではヨウ素不足が心配されていますが、日本人はヨウ素を含む海産物をよく食べるため不足の心配はありません。むしろ摂りすぎに注意が必要なんです。

■妊娠中は１日にどれだけヨウ素を摂取しても大丈夫？

厚生労働省ではヨウ素の1日の耐容上限量は、妊娠中の女性で2200μgとしています。

日本人のヨウ素摂取量は1日平均1500μgなので、普通に食事していれば上限量を超えることはなさそうです。

しかし、昆布や海藻が好きな方や、出汁に昆布を毎日使っている方は注意が必要です。

乾燥昆布5ｇ（5ｃｍ角）当たりにはなんと、12000μgのヨウ素が含まれています。軽く1日の耐容上限量を超えてしまいます。

一時的に上限量を超えてたくさん摂取してしまったからといって、すぐに問題が出るわけではないので安心してください。長期にわたって大量摂取をするとよくないのです。

なので、毎日の汁物に昆布だしを使っていた方は、たまにはかつお出汁に変える等の工夫をすると良いですね。

我が家では私が昆布だしの味が好きなので、1ｃｍ角の乾燥昆布とかつお節で出汁を取るように工夫しています。

ヨウ素は昆布だけに含まれる栄養素ではありません。
要素が多く含まれている食材は他には次のものがあります。

その他ヨード入りの卵もありますね。有機要素を多く含む鶏卵で、海藻などの飼料を与えて生産される卵です。

こう見ていくと、私達日本人がヨウ素不足にならないのも納得できますね。

ちなみに、米医学研究所では妊婦が1日に摂らないといけない量は220μgとしています。アメリカでは日本と逆で、妊婦のヨウ素不足が問題になっているようですね。

ヨウ素不足は胎児の成長障害、脳発達障害を起こすこともあります。ヨウ素を全く摂らないようにするのではなく、
適度に摂取するように工夫するのが大切なんですね。

■妊娠中ヨウ素は適度に摂取しよう！

ヨード（ヨウ素）は過剰摂取が心配な栄養素です。特に昆布にはたくさん含まれているので注意しましょう。

赤ちゃんの成長には欠かせない栄養素でもあるので、全く摂らないのではなく適度に摂ることが大切です。

日本人の食生活なら不足の心配はほとんどないので、ヨード（ヨウ素）が含まれている食材を把握して、過剰摂取にならないよう気を付けましょう。

なお、一時的に過剰になるのは心配ありません。長期的に過剰にならないように気を付ければ大丈夫。

基本的にヨウ素の過剰摂取が問題になるのは極めてまれです。母体に影響がなければ胎児への異常もないことが多いので、バランスの良い食生活をしていれば大丈夫です。