■オメガ3って何?どんな働きをするの?
オメガ3とは不飽和脂肪酸のの1つで、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)、
αーリノレン酸の総称です。
DHAには次の効果があります。
・血中の中性脂肪やコレステロール値を下げる効果
・血液をサラサラにしたり、基礎代謝を高めるダイエット効果
・神経伝達物質の往来が活性化され、記憶力や学習効果が高まる
続いてEPAの効果は、
・花粉症やアトピーなどの炎症や症状の緩和
・生理痛の改善効果
・肌トラブルの改善
そして、αーリノレン酸は摂取すると体内でDHAやEPAに変換され、
・アレルギーを抑制する効果
・うつ病の発生が減少
という効果があります。
これらオメガ3は胎児の脳細胞の発達に大きく関与しており、赤ちゃんの知覚力や認知力、記憶力がアップし、さらにはIQが高くなることも研究で証明されています。
我が子の脳の発達に大きな役割を果たしてくれる栄養素、きちんと摂っていきたいですよね。
■妊娠中にオメガ3を摂る時期は?

脳細胞のほとんどは、胎児から生後3ケ月のうちに発達すると言われています。
そして、脳や神経細胞は3~6週頃に形成されるため、妊娠が判明する前から日常的にオメガ3を摂ることが大切です。
また、妊娠後期の3ケ月にオメガ3を摂ることは、胎児の脳や網膜も発育に有益であるとされています。
つまり、オメガ3は妊娠前から出産後の授乳中まで、積極的に摂ることが大切な栄養素なんです。
■オメガ3とは対照的にオメガ6に注意!
オメガ3は脂肪酸の一種、つまり「油」です。「油」というと「体に悪い」と思っている方も多いと思います。「油」にはいろいろ種類があって、オメガ3は身体に良い油なんです。
逆に身体に良くないとされている油はオメガ6で、代表的なものはコーン油やベニ花油などに入っているリノール酸です。揚げ物によく使われる油ですね。
オメガ6を摂りすぎると、
・発がん
・動脈硬化
・心臓疾患
・高脂血症
・高血圧
・アトピー
・糖尿病
・うつ病
・産後うつ
になるリスクが高まります。
オメガ3とオメガ6は逆の作用があるんですね。
私達現代人はオメガ6を摂りすぎてしまう食生活にあるので、意識してオメガ6を減らし、オメガ3を摂るようにしましょう。
■青魚にも入っているオメガ3

青魚にはDHA、EPAが豊富に入っています。
・マグロ(刺身)・・・DHAが2877mg、EAPが1972mg
・ブリ・・・DHAが1784m、EPAが898mg
・サバ・・・DHAが1781mg、EPAが1214mg
・さんま・・・DHAが1398mg、EPAが844mg
マグロやブリは生態系の上の方の魚のため、水銀の心配があります。私達妊婦は青魚を中心に摂るようにしましょう。
また、調理法は生でも水煮でも焼いてもDHAとEPAの含有量はあまり変わりませんが、油に含まれている栄養素のため、油や煮汁も一緒に食べるとよいでしょう。
また油で揚げた場合は50%減となる上に、オメガ6であるリノール酸を含むコーン油などで揚げてしまうと、効果が相殺されてしまうので避けましょう。オリーブオイルで焼くようにした方がよいですね。
オメガ3は体内で酸化しやすい性質があるので、ゴマや玄米と一緒に食べると効果がアップします。
ゴマに含まれるセサミンや玄米に含まれるビタミンEが抗酸化作用を発揮してくれるんです。
■オメガ3がとれる食材、αーリノレン酸を含む食材
くるみにはαーリノレン酸がたくさん含まれています。42g当たり3.5gのαーリノレン酸が含まれているのです。
同じナッツ類でもアーモンドやカシューナッツなどにはほとんど含まれておらず0.5gに及びません。ナッツ類でオメガ3を摂るなら「くるみ」と覚えましょう。
くるみは細かく砕いて食べるほうが体内への吸収率が上がるそうです。よく噛んで食べるか、ペーストにすると良さそうですね。
他にαーリノレン酸を含む食材には、亜麻仁油やエゴマ油(シソ油)があります。どちらも成分全体の5~6割がオメガ3脂肪酸という高い含有率です。1日小さじ1杯程度を生のまま口に含むことで必要量を満たしてくれます。
どちらも熱に弱く、酸化しやすいため、料理に使う時は加熱せず、ドレッシングとしてサラダなどにかけて食べるのがよいでしょう。また、大容量のものは避けて少量入りのものを使うほうが酸化が防げます。
■妊娠中のオメガ3の摂取量
厚生労働省より1日1000mg以上の摂取が推奨されています。しかし、よく魚を食べる人でも1日500mgほどしか取れていません。
妊婦はお腹の赤ちゃんの分もあるため、1日2.5gを目安に摂取するとよいでしょう。
オメガ3は不足しがちな栄養素ですので、過剰摂取の心配はほとんどありませんが、1日3g以上の摂取は避けましょう。
大量摂取は出血や血糖値への影響、血圧低下などの可能性があります。
青魚、くるみ、亜麻仁油やエゴマ油を上手に利用してオメガ3を摂って、
賢い赤ちゃんを育てましょうね。