■妊娠中はどれくらいの水分を摂ったらいいの?
妊娠中は水分をよく摂りましょうと言われると思います。
では、具体的にどれくらいの量をとればよいのでしょうか?
人は妊娠していない時で、食事で摂る水分以外に、
1日に1~1.5リットルの水分を必要とします。
妊娠中は、これより少し多めの量の2リットルほどの量が必要になります。
なぜ妊娠中はより多くの水分を必要とするかというと……
・妊娠中は汗をかきやすい
・赤ちゃんに送る血液の量が増える
・血液をサラサラにする
・羊水に水分を使用するため
だからです。
妊娠中は赤ちゃんを守るようにお腹まわりの脂肪が増えたり、
その脂肪をエネルギーに変えようと代謝がよくなったりして、
妊婦さんはよく汗をかくようになるんですね。
また妊娠中は血液の量が40%も増えるため、それだけ水分も必要になります。
そしてお母さんがサラサラので健康的な血液でいることは、赤ちゃんが健やかに発育するために欠かせないことです。
■水分を摂りすぎるとむくむのでは?
むくみが気になるからと水分を控える方もいるかもしれません。
確かにむくみは身体に余分な水分を貯水してしまうことですが、これは腎臓の機能が低下してしまうことで、体内の余分な水が排出されないことで起こってしまいます。
腎臓の機能が正常に働いている人なら、不必要な水は体外に排出されますのでむくみは少なくなります。
水分を摂らないと血液はドロドロになり、老廃物が溜まりむくみの原因になってしまいます。
むくみを予防するには水分を摂らないことではなく、塩分を控えることが大切です。
■水分が不足するとどうなるの?
つわりの時期は気持ちが悪く、食事どころか水さえも受けつけなくなってしまうことがあります。
体内の水分のたった2.5パーセントが失われると、脱水熱と呼ばれる発熱を起こします。
わたしも初期の頃からつわりが酷ったのですが、つわりで水さえも飲めない時は必ず産院に相談しましょう!
また、妊娠中は頻尿になりますが、尿を排出しきれず残尿気味になります。
そうなると尿の中で雑菌が繁殖しやすくなり、妊婦さんは抵抗力が普段より落ちているため、膀胱炎やカンジタ膣炎を発症しやすくなります。
水分をしっかり摂ることでトイレの回数を増やし、菌をできるだけ排出して繁殖させないようにしましょう!
■どんなタイミングで水分補給をすればよいの?
水分補給のタイミングは、「喉が渇いたな」と感じてからでは遅いそうです。
「これから喉が渇くだろうな」と予想して早め早めに摂ることが大切です。
また、1日に2リットルもの水分を摂ろうとして一気にたくさんの水分を摂取すると、胃酸が薄くなり、食欲低下や夏バテになってしまうので、水分はこまめに摂るのがよいです。
1回に飲む量は、100~200mリットル程度がよいでしょう。
飲むタイミングは……
・朝起きたらすぐに
寝ている間に失った水分を補給するため、朝起きたらすぐに飲みましょう。
起きてすぐに飲むことで、自律神経が目覚め、身体も頭もすっきりします。
また、便秘にも絶大な効果がありますよ。
・食事の時に
3度の食事の時にも、コップ1杯程度の水分を摂りましょう。
食事中は食べ物を飲み込むために、つい水分を摂りすぎになりがちです。
水分の摂りすぎは胃酸を薄くし、胃もたれや消化不良を招きますので注意しましょう。
・家事(仕事)の合間に休憩を
午前10時頃と午後3時頃ににティータイムを摂るとリラックスにもよいですね。
・入浴前後に
お風呂では気付かないうちに汗をかきますので、入浴の前後に水分を摂るとよいでしょう。
・寝る前に
寝ている間は約500ミリリットルもの汗をかき、水分が失われるそうです。
・運動の前後に
運動して汗をかく前にも、汗をかいて水分が失われた後にも水分補給が必要です。
こうして見ると、1日に約11回の水分補給のタイミングがあります。
1回に200ミリリットルの水分を摂れば、1日に2リットルの水分は軽く摂れますね。
■どんな水分をとればいいの?
コーヒーや紅茶、緑茶などはカフェインやタンニンを多く含むため、妊娠中の水分補給の飲み物としてはおすすめできません。
コーラや栄養ドリンクにもカフェインが入っているので気を付けましょう。
また、ハーブティーも種類によっては妊娠中は禁忌とされているものもあるので、気を付けましょう。
ミネラルウォーターなら問題ないと思われがちですが、海外から輸入されたミネラルウォーターは硬水のものが多く、腎臓に負担がかかるので、人によっては妊娠中は避けた方がよいかもしれません。
おすすめの飲み物としては……
・麦茶
・ルイボスティー
・タンポポ茶
・タンポポコーヒー
・小豆茶
・ゆず茶
・ローズヒップティー
がよいでしょう。
麦茶は食物繊維やミネラルが豊富に含まれており、身体を冷やす効果があるので夏場にはおすすめの飲み物です。
ただし、冷えたものではなく、常温やホットで飲むとよいでしょう。
ルイボスティーはあっさりとした味で癖がなく飲みやすいので、まだ飲んだことのない方はぜひチャレンジしてください。
鉄分やカルシウムが豊富に含まれています。
タンポポ茶やタンポポコーヒーには血行促進や便通を促す作用があり、また母乳の出がよくなることでも知られています。
小豆茶は血流を抑止、血行促進作用のあるポリフェノールやミネラル、ビタミン類が豊富に含まれているのでおすすめです。
ローズヒップティーは爽やかな酸味があり、つわりで辛い時期にも飲みやすいのではないかと思います。
鉄分やカルシウムビタミンなどが豊富に含まれているのもよいですね。
妊娠中は今までと味の好みも変わってしまう方が多いようです。
妊婦さんにお勧めの飲み物をいろいろ試してみて、自分にあった飲み物を見つけるのも楽しいですね!
自分に合った飲み物を外出時等は水筒に入れて持ち歩き、こまめに水分補給をしましょう。